騒ぐ前に見てみよう、近くて遠い赤い星
火星のデータ
| 半径 | 3396km |
|---|---|
| 体積 | 地球の0.151倍 |
| 質量 | 地球の0.1074倍 |
| 自転周期 | 1.026日 |
| 公転周期 | 1.88089年 |
| 衛星 | 2個 |
| 太陽からの距離 | 地球の1.5237倍 |
理科年表平成19年度版による

火星は古代から「戦争」と結びつけられてきました。朱色の輝きが「血」や「炎」を連想させたことは間違いありませんが、その動きにも理由があるかもしれません。
地球のすぐ外側を回る火星は、星座の中を大きく動きます。そして、接近して見ごろを迎えるのも2年2か月という中途半端な周期です。極めつけは、火星−地球−太陽と一直線に並んでも、地球からの距離がまちまちなこと。火星の軌道は比較的ゆがんだ楕円(だえん)だからです。ですから、同じ「接近」のときでも明るさにかなりの差が出ます。天文学が発達していないうちは、不気味で予想がつかない「平和を乱す存在」に思えたことでしょう。
そんな火星も、現在は「地球のそっくりさん」とか「生命がいるかも?」などと紹介されるようになりました。かつて水が存在したことはほぼ確実ですし、ごく原始的な生命が誕生した可能性もゼロとは言えません。しかし、まだ決定的な証拠はありませんし、その上「火星人」に進化したことはまずあり得ません!それに、火星は地球に比べて小さく、大気や海をとどめることができませんでした。
今や複数の探査機が火星に送り込まれ、常時監視されていると言えるほどです。そして、「生命の証拠」「水の証拠」「火星大接近」「有人火星探査」などのニュースがあると、有ること無いこと含めて大いに話題に上ります。「騒ぎを起こす存在」なのは相変わらずですが、昔と違って本物の火星を見ていない人が多いのではないでしょうか。火星の風景写真があたりまえのように見られる現代だからこそ、火星の輝きを直接目にしたいものですね。
画像解説
火星に着陸した米国航空宇宙局(NASA)の無人探査機が撮影した風景写真。2007年5月現在、地上と軌道上を合わせて5機の無人探査機が稼働している。火星に宇宙飛行士を送り込む計画も進行中だ。(©NASA/JPL)