水星
人間の目から逃げ続ける惑星
水星のデータ
| 半径 | 2440km |
|---|---|
| 体積 | 地球の0.056倍 |
| 質量 | 地球の0.05527倍 |
| 自転周期 | 58.65日 |
| 公転周期 | 0.24085年 (87.98日) |
| 衛星 | なし |
| 太陽からの距離 | 地球の0.3871倍 |
理科年表平成19年度版による

ギリシア時代の人々が、惑星に神様の名前をつけたことは有名です。ところが、水星には一時期2つの名前があったことはご存じでしょうか。夕方に見える水星は伝令の神「ヘルメス」、明け方の水星は太陽の神「アポロン」と呼ばれていたのです。水星が伝令のようにすばやく動き、いつも太陽の近くにいることはわかっていても、2つの惑星が同じ天体だと気づかなかったということは、それだけ観察するチャンスが少なかったことがわかります。
今でも、水星は謎だらけの惑星です。夜の間はほとんど見ることができませんし、太陽の影響をおそれて大型望遠鏡も観測を敬遠しています。今まで水星に到達した探査機は1機だけで、水星の表面地図は半分も描けていないのです。
それでも「太陽に近いからとても熱い」ということは想像できそうな気がします。実際、地球の6.7倍もの太陽エネルギーが注ぐ上に、それを和らげる大気もほとんど吹き飛ばされてしまっていて、最高温度は430℃にもなります。ところが、太陽光が当たらない「夜」の温度はマイナス180℃にまで下がります。大気がないため熱が逃げやすいのが、理由の1つ。別の理由は、水星が自転するのに地球の60倍近くもかかるからです。つまり1日が地球の60倍で、夜が地球で言えば1か月も続くのですから、相当冷え込みそうですね。
水星の「1日」はとても長いですが、「1年」、つまり太陽のまわりを1周するのにかける時間は地球で言うとわずか88日。すばやく動き回る水星を、この機会に自分の目で捕まえてみましょう。
画像解説
米国航空宇宙局(NASA)の探査機マリナー10号が1974年に撮影した水星の横顔。マリナー10号は水星に3回接近したが、今のところそれが水星探査のすべてだ(©NASA/JPL/Northwestern University )